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著者名 |
伊藤比呂美 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2007年06月 |
参考価格 |
¥1,870 |
頁数 |
288p |
ISBN |
978-4-06-213944-1 |
内容 |
【要旨情報】 この苦が、あの苦が、すべて抜けていきますように。「群像」連載時より大反響の長篇詩遂に刊行。
【e-honおすすめコメント】 たらちねの母といえども、生身であります。昔は小さな女の子でありました。怖いときには泣いてました。父や母や夫や王子様に、助けてもらいたいと思っておりました。何べんも助けてもらいました。父にも母にも、夫や王子様にも。でも今はだーれもおりません。父は老いて死にかけです。母も死にかけて寝たきりです。夫や王子様には、もう頼れません。このごろじゃすっかり垂れ乳で、ゆあーんゆよーんと揺すれるほどになりまして、足を踏ん張り、歯をくいしばり、ちっとも怖くないふりをして、苦に、苦に、苦に、苦また苦に、立ち向かってきたんですけど、あゝあ、ほんとに怖かったのでございます。
【出版社商品紹介】 母の苦、父の苦、夫の苦、子供の苦……でもなによりも「私の苦」。女であることのしんどさを愛と毒にみちた〈生きた言葉〉で解放する。
【出版社コメント】 人はみな、老いるとふしあわせになるのか?職業、詩人。カリフォルニア在住。夫1人(外国人)。娘3人、犬2匹。老いた両親は熊本で。母は寝たきり、父、要介護。足を踏ん張りこの苦あの苦に立ち向かう。
【文学賞情報】 2007年15回萩原朔太郎賞受賞 2008年18回紫式部文学賞受賞
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目次 |
【目次】 伊藤日本に帰り、絶体絶命に陥る事 母に連れられて、岩の坂から巣鴨に向かう事
渡海して、桃を投げつつよもつひら坂を越える事 投げつけた桃は腐り、伊藤は獣心を取り戻す事 人外の瘴気いよいよ強く、白昼地蔵に出遇う事 道行きして、病者ゆやゆよんと湯田温泉に詣でる事 舌切らず、雀は婆を追い遣る事 梅雨明けず、母は断末魔に四苦八苦する事 ポータラカ西を向き、粛々と咲いて萎む事 鵜飼に往来の利益を聴きとる事 耳よ。おぬしは聴くべし。溲瓶のなかの音のさびしさを。の事 秋晴れに浦島の煙立ち昇る事 瘤とり終いに鬼に遇い、雀の信女は群れ集う事 伊藤ふたたび絶体絶命、子ゆえの闇をした走る事 とげ抜きの信女絶望に駆られて夫を襲う事 良い死に方悪い死に方、詩人は死を凝視める事 伊藤病んで、鳥花に変じ、巨木はべつに何にも変わらぬ事
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ジャンル |
文学・ノンフィクション > 文学 > 日本作家 小説・エッセイ > 日本文学 女性作家
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