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著者名 |
新藤宗幸 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2012年11月 |
参考価格 |
¥1,540 |
頁数 |
222p |
ISBN |
978-4-06-218062-7 |
内容 |
【要旨情報】 いま、原発の運転差止めを求める裁判が、政治的立場を超えて各地で提起されようとしている。しかし、これまでの二十件近い反原発訴訟において勝訴したのは二件のみ。それもすべて上級審で逆転されている。フクシマ以降も裁判所がいかなる判断を下すかは予断を許さない。なぜ、かくも「司法の壁」は厚いのか?日本政治における「過度の行政優位」の問題を批判してきた著者が、これまでの判決に潜む問題点を指摘し、官僚制の病巣を抉り出す。
【e-honおすすめコメント】 福島第一原発事故を受け、各地の原発問題訴訟にかかわってきた弁護士らが、国や電力会社を相手取って、運転差止めなどを求めて提訴する動きがあります。 それとは別に2012年10月に入り、電源開発が大間原発(青森県大間町)の建設を再開したことについて、同原発から最短23キロの距離にある函館市の工藤寿樹市長が抗議、原発の稼働条件になるとみられる地域防災計画の作成を拒否。さらに原発工事差止めを求めて函館市として提訴に踏み切る方針を示しました。いまや政治的立場を超えて同時多発的に原発に反対する訴訟が提起されようとしているのです。 しかし、これまでに起こされた20件近い反原発の訴訟において勝訴したのは2件のみ。それもすべて上級審で逆転されています。今後の訴えでも裁判所がどのような判断を下すかを考えると先行きは暗く「司法の壁」は厚いと言わざるをえません。どうしてそうなってしまうのか? それは司法官僚が限りなく行政官僚に近くなり「司法の行政化」が進んでいるからです。行政学の第一人者として日本政治における「過度の行政化」の問題に警鐘を鳴らしつづけてきた新藤氏が、これまでの原発訴訟の判決を仔細に、わかりやすく検討し、市民の常識からあまりにも浮き上がっている「ものわかりのよすぎる司法」の現状を徹底的に批判すると同時に、あるべき司法への具体的提言を記します。
【出版社商品紹介】 国民の常識と乖離した、行政への「ものわかりのよすぎる判決」はなぜ出されるのか?この国に真の三権分立を打ち立てるための警世の書。
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目次 |
【目次】 序章 裁判所は“最後の砦”だろうか(“絶対安全神話”を葬った東日本大震災 “原子力ムラ”の形成と退廃
お墨付きを与えつづけた司法) 1章 原発訴訟と司法の論理構造(「原告適格」と「安全審査」 主張、立証責任は誰にあるのか 司法の論理の背後にあるもの) 2章 志賀原発二号機訴訟を分岐させたもの(金沢地裁へのふたつの提訴 差止めの根拠となった地震動と耐震性判断 一審判決をことごとく否定した控訴審) 3章 司法の責任と司法改革(市民の感性に配慮しない司法 原子力規制機関の「改革」 原発訴訟のための裁判所改革) 終章 福島原発事故が突きつけたもの(「無責任」の支配 官僚機構の権限自己増殖システム なぜ、少数派のための司法とならないのか)
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ジャンル |
法律 > 法律学 > 司法・裁判 > 司法
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