実際の店頭在庫とは異なることがございます。ご来店の際は事前にお電話にてお問い合わせください。
著者名 |
月脚達彦 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2015年10月 |
参考価格 |
¥2,035 |
頁数 |
304p |
ISBN |
978-4-06-258613-9 |
内容 |
【要旨情報】 「転向者」福沢の思想/情念、「アジア主義」の本質的矛盾、挫折する「リベラルな帝国主義」…。『時事新報』での言説と朝鮮開化派との個人的関係から、真実の福沢諭吉像と現代日本の東アジア関係との連続性を提示する。
【e-honおすすめコメント】 福沢諭吉はレイシストだったのか? 「福沢は偉い人だ」「悪いやつだ」論争は建設的な成果をみないまま、いまだに蒸し返されます。福沢の朝鮮論が悪罵に満ちていることは事実だからです。先駆的な啓蒙思想家として福沢読む立場にとって朝鮮論をあげつらってのレイシスト扱いは耐えがたいものですし、植民地主義に目を向ける論者にとっては帝国主義者としての側面を無視できません。本書はこの論争に終止符を打ちます。福沢のアジア論を丹念に追い、一つ一つを朝鮮の政治過程と照らし合わせることで、福沢のアジア論に貫徹する思想を明らかにします。福沢のアジア論は「絶えざる転向」に満ちているため多くの解釈を生みました。本書は、朝鮮で開化派と呼ばれた人々と福沢との関係を主軸に、福沢の議論から一本の筋を見出します。そこに見えるのは朝鮮開化派への肩入れと彼の激情です。福沢は、情報が限られる中で自らの弟子でもある開化派人士を愛し、その一挙手一投足に一喜一憂し、その都度のリアクションとして賞賛と呪詛を交互に書き綴っているのです。さらにその奥に見えるのは「リベラルな帝国主義者」という19世紀的な立場が挫折してゆく過程です。朝鮮史の立場から見た福沢諭吉の姿は、彼のアジア論について最も説得力のある解釈を提供します。
>> もっと見る
<< 閉じる
|
目次 |
【目次】 序章 福沢諭吉の朝鮮論をどう読むか(福沢諭吉の朝鮮との出会い 福沢の「アジア盟主論」
「アジア主義」の成立と福沢諭吉 社説「脱亜論」の内容 「状況的発言」としての社説「脱亜論」 本書の目的と構成) 第1章 「朝鮮改造論」から「脱亜論」へ(壬午軍乱以前の朝鮮「独立」論 壬午軍乱と朝鮮「独立」論の変容 「朝鮮改造論」の再展開とその放棄) 第2章 ロシアの脅威と「朝鮮改造論」の放棄(イギリスの巨文島占領と「朝鮮改造論」の放棄 巨文島事件による中国評価の転換 沈黙期の朝鮮関係社説) 第3章 「世界文明の立場」からの「朝鮮改造論」(朝鮮開化派の動向と金玉均の暗殺 日清戦争時の「朝鮮改造論」 甲午改革と「朝鮮改造論」の展開) 終章 福沢諭吉の挫折としての朝鮮問題(『福翁自伝』における朝鮮 「義侠心」と「文明主義」の破綻 「義侠心」と「脱亜」の行方)
>> もっと見る
<< 閉じる
|
ジャンル |
文学・ノンフィクション > 選書・ブックレット > 選書・叢書 > 講談社選書メチエ
|
※e-honは、株式会社トーハンが運営するオンライン書店です。
インターネットで注文した書籍を、宅配または三省堂書店の各店舗で受け取れます。
ご利用にあたっては、e-hon会員登録が必要です。