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著者名 |
西川照子 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2016年04月 |
参考価格 |
¥1,705 |
頁数 |
210p |
ISBN |
978-4-06-258624-5 |
内容 |
【要旨情報】 山の王たる熊にまたがり、炎のごとき赤い腹掛けには錬金術師の証である「金」の文字。おなじみ金太郎は「雷神」とも伝わるが、その母の存在は深い闇に包まれている。母の正体を求め、中世から古代へ、そして再び中世へ…「母子神信仰」を手がかりにしてめぐる探求の旅は、その果てで驚愕の事実と出会うことになる。豊饒なる民俗学の冒険へ!
【e-honおすすめコメント】 まさかりをかついで熊にまたがり、「金」の字が染め抜かれた真っ赤な腹掛けをしている子供。──日本人なら誰でも知っている「金太郎」です。では、その金太郎のお母さんは誰だったか? そう問われて答えられる人は決して多くないでしょう。しかも、その母は妖怪だった、と言われたら驚かずにはいられないのではないでしょうか。本書は、金太郎の母が、奥山に住み、人を食らう恐しい鬼女「山姥」であるという事実から出発し、母の行方を追って古代から中世を旅していく書です。金太郎は長じてから京で源頼光とともに「酒呑童子」を退治します。田舎の力自慢の子供が逞しい大人に成長し、都を苦しめていた山の怪物を討つ、というストーリーは英雄にふさわしいものでしょう。その母が山姥なのだとしたら、子供である金太郎もまた妖怪ということになってしまう。もちろん、これは都合の悪い事実です。だからこそ、母と子を引き裂き、母を見えないようにしてきた歴史が私たちの視界から隠されてきました。歴史の闇から金太郎の母を救い出さなければなりません。中世から古代へ、そして再び中世へとめぐっていく本書の旅は、至る所で「母子神信仰」というキーワードと出会うことになるでしょう。御伽草子に見られる物語「熊野の本地」には、首を斬られ、肉体は朽ちているのに、わが乳飲み子のために乳房だけ残して乳を出す母、という異形が描かれています。「母は子のためなら鬼にも蛇にもなる」と著者が言うとおり、ここには決して切り離せない母子の関係があります。そして、「母子神信仰」を手がかりに旅を続けていった果てでは、「金太郎は日本人の祖である」という驚愕の事実と出会うことになるでしょう。さあ、金太郎の母を求める旅に出かけましょう!
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目次 |
【目次】 第1章 中世の神女―妖怪となった母 第2章 神話の処女―赤子がカタる母のこと
第3章 安産と産婆―神功皇后と岩田ヒメ 第4章 金太郎の母―昔話の「三太郎」 第5章 人柱伝承の母子―鶴と市・八幡信仰 第6章 あらち山の山姥―あらち山の金太郎 第7章 流されるヒメ―神となるための残酷
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ジャンル |
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