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著者名 |
松野孝一郎 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2016年05月 |
参考価格 |
¥1,815 |
頁数 |
256p |
ISBN |
978-4-06-258626-9 |
内容 |
【要旨情報】 過去から現在へ、そして未来へと流れる「時間」を私たちも、科学者も疑っていない。しかし、人間の経験は、いつでも持続する「今」の中にしかなく、常に持続する「今」は、生命の起源から途切れなく続く歴史全体を含んでいる―。「内部観測」の発見者が、前著から十五年を経て、自身の理論のバージョンアップを試みる大胆な挑戦。
【e-honおすすめコメント】 「時間」とは何か?──そう問われたとき、人は「過去、現在、未来」から成る流れのようなものを想像するだろう。その時間の中では「過去」、「現在」、「未来」が明確に区別され、それらの前後関係を定めることができると考えられている。そのような時間は、経験科学も自明の前提としてきたものである。しかし、その一方で、私たちは常に「今」に生きていて、「今」から離れることはできない。つまり、私たちがあらゆる経験をする現場は「今」以外ではなく、そこには「過去」も「未来」もない。だとすれば、ここにある「現在」と「今」は同じものなのか。本書は、この問いを出発点にして、前後関係としての時間に依拠する経験科学が、経験の現場である「今」を捉える方法を探っていく。そのためのカギになるのが、著者が発見し、世界的に影響力を及ぼし続けている「内部観測」という方法にほかならない。内部観測とは、個物が他の個物と関係をもつとき、相手から受ける影響を相互に同定しながら相手を観測する、という私たちが経験の現場で日々行っている事実を指す。すでに『内部観測とは何か』(2000年)でその概要を示したこの方法をバージョンアップするべく、著者は私たちがもっている「言語」に注目する。通常、言語は「過去」、「現在」、「未来」を区別する「時制」をそなえている。しかし、時制は三人称で捉えられるものであり、それは一人称でしかありえない経験を捉えることはできない。ところが、物理学をはじめとする経験科学は、三人称での記述を行うものとして、確立・発展してきた。そこで扱われる対象は、すでに完了形になった「過去」のものでしかないが、経験というのはいつでも進行中であり、完了とは無縁の一人称のものである。では、経験科学は一人称を捉えることはできないのか? 量子論、熱力学、インフォメーション現象から「生命の起源」に至るまで、さまざまな科学の最前線を横断しながら、著書は前人未到の領域を目指して大胆な可能性に挑戦していく。
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目次 |
【目次】 第1章 アーサー・プライアーの謎 第2章 量子論からの決定性
第3章 熱力学からの一人称 第4章 一人称行為体からの量子論 第5章 インフォメーション―抽象から具体へ 第6章 意識を操ること 第7章 時制をまたぐ脳 第8章 生命の起源にたどりつく 終章 「持続する今」をもたらす親和性
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ジャンル |
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