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著者名 |
内田義雄 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2015年06月 |
参考価格 |
¥924 |
頁数 |
336p |
ISBN |
978-4-06-281605-2 |
内容 |
【要旨情報】 本書の主人公・杉本鉞子は、戊辰戦争で河井継之助と藩政をめぐり対立した長岡藩筆頭家老の娘。明治維新後、東京で教育を受け、結婚のため海を渡ったが、夫との早すぎる死別を体験する。しかし、鉞子はたよるべき人のいないアメリカで二人の娘をかかえて生きてゆくことを決意する。彼女のよき理解者、フローレンス・ウイルソンの協力を得て、1925年(大正14年)、無名の日本人女性が英語で書き下ろした自伝的小説『武士の娘』がアメリカで刊行され、その年のベストセラーとなった。ところが、『武士の娘』は戦前に日本語訳がでたあとでも母国ではごく一部の人たちにしか知られてこなかった。あの司馬遼太郎でさえその存在を知らず、賛辞を送ったのは、アメリカで出版されてから42年後のことであった。杉本鉞子の数奇な生涯を描くノンフィクション。
【e-honおすすめコメント】 あの司馬遼太郎がその存在を知らず、一読して『福翁自伝』にひけをとらぬ内容、と驚嘆した自伝がある。1925年(大正15年)、アメリカで無名の日本人女性が英語で書き下ろした『武士の娘』が刊行され、その年のベストセラー・リストに載った。『グレート・ギャツビー』と並ぶ売れ行きで、異例の8万部が世に出た。著者・杉本鉞子は明治5年生まれ。父は長岡藩の筆頭家老で、司馬遼太郎の『峠』の主人公・河井継之助と幕末に対立し、藩の役職を追われたいわば没落士族である。維新後は、いわゆる武士の商法から零落する。それにもかかわらず、鉞子は厳しい教育を受け、10代で東京へ出てクリスチャンの学校へ通い英語を身につける。卒業後、浅草で教職につくのは、ちょうど樋口一葉が同地に移り住む頃だった。縁あって、アメリカ中部で美術商を営む杉本松雄に嫁ぐのが明治35年。しかし、42歳で寡婦となった鉞子は、二人の娘を養育しながらアメリカにとどまる決意をする。生涯、彼女をサポートしてくれたアメリカ人女性との邂逅。食べるためにはじめた新聞・雑誌への投稿が、編集者の目に留まり一冊となる。それが『武士の娘』だった。ニューヨークへ移り住んだときには、コロンビア大学の教壇で日本語と日本史を、日本人女性としてはじめて教えた。戦争をはさみ、『武士の娘』以降3冊の本を書いた鉞子は、昭和25年に息をひきとるまで日米の架け橋となった。アメリカでは有名人、日本では無名―忘れられた杉本鉞子の一生を描く。ちなみに『武士の娘』は、現在もちくま文庫で、順調に版を重ねている。かつ、昨年鉞子のアメリカ時代の書簡が発見され、地元・新潟の会津八一記念館で展示されている。
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目次 |
【目次】 エツ・イナガキ・スギモト 幕末維新に翻弄される父と娘
戊辰戦争と明治の稲垣家 婚約、そして東京へ 空白の五年間 アメリカへの旅立ち フローレンス・ウイルソン 帰国 賞賛された「不屈の精神」 協力者の死と戦争への道 鉞子が遺したこと 黒船(The Black Ships)
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ジャンル |
文庫 > 雑学文庫 > 雑学文庫 > 講談社+α文庫
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