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著者名 |
松本宣郎 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2017年04月 |
参考価格 |
¥1,243 |
頁数 |
352p |
ISBN |
978-4-06-292426-9 |
内容 |
【要旨情報】 イエスがローマ総督によって処刑されたとき、帝国にとってまだそれは辺境属州の些細なできごとでしかなかった。しかし、やがて彼を神の子と信ずる奇妙な集団が都市にあらわれる。キリスト教徒と呼ばれたいかがわしく忌まわしい存在は、迫害を乗り越え、徐々に信徒の数と伝道の地域を拡大していく。地中海世界そのものをかえた心性のドラマを描く。
【e-honおすすめコメント】 歴史のなかにあらわれたキリスト教徒を、現実の世界、あるいは社会とのかかわりのなかでとらえることを本書はめざしてきた。ことばをかえれば、だいたい紀元前一世紀なかばから三世紀後半までの、地中海世界の人間、おおざっぱにそれはローマ帝国の住民ともいえるが、彼らの心性の一部をになうものとして、この世界にあらたに参入してきた初期キリスト教徒の周辺を、キリスト教の側からでなく、ローマ帝国史あるいは古代地中海世界のほうからながめてきた。/ナザレのイエスは、ローマ帝国の属州の一辺境の田園地方から、人間の救いを告知する伝道をはじめた。彼は神と人との関係を、たとえば富んだ者より貧しい者が評価されると主張して、逆説的にとらえようとした。人目をひく奇跡や、魔術的な行為もなしたが、それらは社会的な弱者のためにほどこされることが主であった。彼の行為にはたしかに、独特の不思議なものがあったが、この時代のローマ帝国全域とまではいわずとも帝国東方、もっと狭くはユダヤだけでも、人びとに語り、不思議をおこない、しがらみのなかにある人間の解放を告げる予言者めいた人は少なからずいたのである。/イエスはローマ総督によって処刑された。しかし、まだそれは帝国にとっては辺境属州のささいなできごとでしかなかった。彼を神の子と信じる人びとの群れが原始キリスト教徒集団を形づくった。彼らは、ことにキリスト教徒の理念と教会という組織づくりと、外への宣教で天才的な力量を発揮したパウロの働きがあって、帝国の都市を拠点とする宗教集団をうみだした。ローマ帝国はその領域内に1000から2000の都市を有していた。帝国の行政の単位と、文化の舞台は都市であり、ローマ帝国の人間の本来的生活とは都市にしかない、と考えられていた。この都市で、最初のキリスト教徒はローマ帝国社会と直接ふれあうことになったのである。……/そのことはキリスト教徒がローマ帝国社会のなかで歓迎されていたことを意味しはしない。キリスト教徒はたしかに大多数の帝国人からは無視されるか、まともに扱われることのない、いかがわしい、ある人びとにとっては忌まわしいと見なされる状況にあった。ほか
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目次 |
【目次】 第1章 キリスト教徒の誕生(ガリラヤのイエス イエスからパウロへ)
第2章 迫害の心性(迫害、その現実 キリスト教徒とは何だったのか 「キリスト教徒たる名そのもの」) 第3章 ローマ都市のパフォーマンス(地中海都市の素顔 富める者と貧しき者 奴隷の信仰 キリスト教徒のイメージ) 第4章 性の革命(古代都市民にとっての性 性の饗宴 性と罪) 第5章 魔術師としてのイエス(魔術の風景 魔術師イエスとその弟子たち)
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ジャンル |
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