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著者名 |
本郷和人 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2022年08月 |
参考価格 |
¥990 |
頁数 |
224p |
ISBN |
978-4-06-526097-5 |
内容 |
【要旨情報】 このままでは日本の歴史学は崩壊する!?歴史を愛する人気学者の半生記にして反省の記―。
【出版社コメント】 ■ ぜんぶ、言っちゃうね。 このままでは日本の歴史学は崩壊する!?歴史を愛する人気学者の半生記にして反省の記――。■歴史学は奥も闇も深い ●「物語の歴史」と「科学の歴史」の大きな違い●時代が変われば歴史も変わる怖さ●実証と単純実証は断じて違う●皇国史観VS.実証主義の死闘●教育者の一流≠研究者の一流●修業時代とブラック寺院●私は認められたかった●「博士号」の激しすぎるインフレ●「古代+京都」至上主義の嫌な感じ●「生徒が考える」歴史教科書はNGだった●歴史学衰退の主犯は大学受験●私を批判する若い研究者たちへ●唯物史観を超えるヒント●網野史学にも検証が必要だ●民衆からユートピアは生まれるか●「日本史のIT化」は学問なのか●次なる目標はヒストリカル・コミュニケーター 本書のテーマは「歴史学者」、つまり歴史を研究するということの意味について考えること――だ。(中略)聞きようによっては、同僚や他の研究者の批判に聞こえてしまうようなところもあるかもしれないが、もちろん個人攻撃や人格攻撃などの意図はまったくない。あくまで学問的な批判だと考えていただければよい。ここまで心中を正直に吐露したのは本書が初めてであろう。 幼年時代の私は、偉人伝などをはじめとする「物語」としての歴史にハマった。だが、本格的な歴史研究者を志すために大学に入ると、そこには「物語」などではない、「科学」という、まったく新しい様相の歴史が待ち構えていた。 学生時代の私は、史料をひたすら読み込む「実証」という帰納的な歴史に魅了された。その一方で、いくつかの史実をつなげて仮説を組み立てようとする演繹的な歴史のもつ面白さにハマった時期もあった。だが、実証を好む人々からは「仮説」というものは徹底して異端視され、しばしば私も批判されることになった。さらに学びを深めるうちに、歴史学、歴史というものは決して悠久でも万古不易でもなく、それどころか、むしろその時代のもつ雰囲気や世論、世界の流れなどによって、簡単に姿を変えてしまう、ある意味恐ろしいものなのだという現実も知った。また、受験科目としての安直きわまりない「歴史」が、数多くの歴史嫌いを大量生産し、結果的に歴史という学問の著しい衰退を招いてしまっている事実にも言及したい。 こうした機微な話は歴史の授業や歴史学の講義ではなかなか話題にならない。(「はじめに」を一部改稿)
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目次 |
【目次】 第1章 「無用者」にあこがれて―立身出世は早々にあきらめ、好きなことをして生きようと思った 幼少~中高時代(「死」が怖かった 野口英世のような医者になろう ほか)
第2章 「大好きな歴史」との訣別―歴史学は物語ではなく科学‐だから一度すべてを捨てる必要があった 大学時代(入学直後にひきこもり 「こんなのオレが好きな歴史じゃない!」 ほか) 第3章 ホラ吹きと実証主義―徹底的に実証主義的な歴史学を学んだ、そしてホラの吹き方も― 大学院時代・そして史料編纂所へ(大学院の学費 未来の妻に説教される ほか) 第4章 歴史学者になるということ―歴史学には課題が多い。だからこそ大きな可能性があるのだ― 史料編纂所時代・そして新たな道へ(結婚という名の… 私は認められたかった ほか) おわりに ヒストリカル・コミュニケーターに、オレはなる!(「日本史のIT化」は学問か 若い教員の憤り ほか)
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ジャンル |
新書 > 教養新書 > 教養新書 > 講談社現代新書
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