ドグラ・マグラの世界/夢野久作 迷宮の住人 講談社文芸文庫
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著者名 |
鶴見俊輔 |
出版社 |
講談社 |
出版年月 |
2024年01月 |
参考価格 |
¥2,200 |
頁数 |
288p |
ISBN |
978-4-06-534268-8 |
内容 |
【要旨情報】 一九六二年、雑誌「思想の科学」に発表され、埋もれた一篇の怪奇幻想探偵小説が「再発見」される契機となる作品論「ドグラ・マグラの世界」。政客の長男に生まれ、農園経営や僧侶や新聞社勤務等の傍ら執筆に励んだ夢野久作の実像を描き、昭和初期のきな臭い世相と不可分の作品世界の価値を評価した、日本推理作家協会賞受賞の作家論「夢野久作 迷宮の住人」。重層的夢野久作論集。
【出版社コメント】 巻頭に置かれるのは、夢野久作が読書界から顧みられることのほとんどなかった1962年に鶴見俊輔が雑誌「思想の科学」に発表した「ドグラ・マグラの世界」である。この評論により、日本の戦後期には忘れられた存在となっていた夢野久作は「再発見」される。「ドグラ・マグラの世界」の発表がきっかけとなり、鶴見と夢野久作の長男である杉山龍丸の交流が生ずる。やがて杉山龍丸の著書や杉山が編纂した夢野久作の日記などを資料としてじゅうぶんに咀嚼したうえで、鶴見は夢野久作論『夢野久作 迷宮の住人』が書き下ろされる夢野久作について少年期の鶴見俊輔が出会った夢野久作の『犬神博士』の紹介から、『夢野久作 迷宮の住人』の第一部は始まる。そして『氷の涯』という日本軍のシベリア出兵をモチーフにした作品、さらに異色の長篇推理小説『ドグラ・マグラ』へ。そして、これらの作品が昭和初期の読者にどのように受けとめられたのかと問いが生まれる。第二部では作家夢野久作の本名である杉山泰道の側からその生涯が辿られる。泰道の伝記的事実の多くは、さらにその長男杉山龍丸の著書によるが、伝記的事実と時代背景を結びつけて読み解くことで、より作品世界に深くわけ入ることができる。第三部では、夢野作品受容の変遷が綴られる。江戸川乱歩ほか同時代の探偵作家たちにはやはり異形のものとして解されている。しかし年少の読者だった福永武彦や中井英夫たちには強烈な印象が残っていた。敗戦後、占領期に夢野久作が思いおこされることはなかったが、1960年を境にふたたび関心が寄せられるようになり、作品研究・分析が進む。そこで見えてきたものは、中央から遠い地方で、土地の日常言語を駆使して人間の根本問題に迫る、きわめて独創的な作家の姿であった。本書により、夢野久作というきわめて独自性に満ちた作家に多角的に光が当てられ、読者にとってもそのイメージが鮮明となることが期待される。
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目次 |
【目次】 ドグラ・マグラの世界(世界小説の誕生 民族主義と無政府主義のともにうまれる場所)
夢野久作―迷宮の住人(夢野久作の世界 杉山泰道の生涯 作品の活動)
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ジャンル |
文庫 > 文芸・総合文庫 > 文芸・総合文庫 > 講談社文芸文庫
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