三省堂書店 BOOKS SANSEIDO

書籍詳細

検証日本の「失われた20年」

気になる
気になる

実際の店頭在庫とは異なることがございます。ご来店の際は事前にお電話にてお問い合わせください。

在庫 ×  (神保町本店)
所在地 神保町本店
TEL:03-3233-3312
著者名 船橋洋一
出版社 東洋経済新報社
出版年月 2015年06月
参考価格 ¥3,080
頁数 477p
ISBN 978-4-492-39617-9
内容 【e-honおすすめコメント】
日本の「失われた時代」の原因として、次の5つが指摘できる。その第一は、「最優先課題」と「損切り」の先送りである。これは、バブル崩壊後、金融機関が背負い込んだ不良債権の処理をめぐって典型的に表れた。第二は、部分最適と全体最適のトレード・オフを克服し、全体の利益を追求する国家戦略を打ち出せなかったことだ。政府が重要な決定を下すにあたって、全体最適解を下そうとする際、それに抵抗する政治力の強い組織的ストレスを克服できず、その組織の部分最適解を優越させてしまう。このことは、国家課題に関する明確な政策優先順位を設定し、それを容赦なくかつ効果的に追求し、実現する意思と能力の不在とリーダシップの不在を示している。第三は、既得権益層の岩盤構造である。これは、既得権益層がインサイダー集団を形成し、そこで手にするレント(過剰利潤)を守るために改革に抵抗する政治的に強固な構造のことである。第四は、政府も企業も「成功体験の虜」になったことだ。グローバル化とIT化と新興国の台頭と挑戦という新たな環境の下でも、日本企業の多くは高度成長期のビジネス慣行を維持し、それにしがみついていた。最後の第五は、官民問わずに危機意識が不十分だったことだ。日本の危機感の乏しさは、この間に深まった日本人の悲観主義の高まりと著しい対比を成している。そうした危機感なき悲観論の傾向は二一世紀初頭にはすでに明瞭に表れていた。これら五つの原因のうち、部分最適解と全体最適解のギャップにこそ、日本の「失われた時代」の本質がある。日本の「失われた時代」の行方は、世界に大きな意味を持つだろう。その行方は、アベノミクスの成否という次元にとどまらない。それは、日本の歴史的な役割と世界、なかでもアジア太平洋の地政学におけるプレゼンスと安定といった世界史的な意味合いを帯びることになるだろう。

>> もっと見る
目次 【目次】
「失われた時代」をトータルに捉える
人口―失われた人口とそこからの回復策
>> もっと見る
ジャンル 経済 > 日本経済 > 日本経済 > 日本経済読み物 著者別

※e-honは、株式会社トーハンが運営するオンライン書店です。 インターネットで注文した書籍を、宅配または三省堂書店の各店舗で受け取れます。 ご利用にあたっては、e-hon会員登録が必要です。